2019.10.24「大人のひきこもり」の数は想像以上。。
内閣府は30年3月、初めて中高年(40~64才)を対象にひきこもりの実態調査「生活状況に関する調査(平成30年度)」を実施した。調査では、中高年のひきこもりが全国に61.3万人いることがわかった。2015年の若年層を対象にした調査では、ひきこもりの人数は54.1万人だったことから、今回の中高年の数字と合わせると、ひきこもり人口は全国に100万人以上いる。
「秋田県藤里町の戸別調査によると、対象年齢(18~55才)に占めるひきこもり比率は8.74%。仮にこの数字を全国に当てはめると18~55才の人口5703万人(2017年)のうち、約500万人となります。都市と地方の違いなど、単純に当てはめることはできませんが、決して荒唐無稽な数字ではないでしょう」
「ここ数年、30~40代のひきこもりの子供を持つ70~80代の親からの相談が急増しています」
年老いた両親(80代前後)がひきこもりの子供(50代前後)の生活の面倒をみる「8050問題」はより深刻なひきこもり問題だ。
「そもそもひきこもりは、バブルが崩壊して経済が低迷し、1990年代半ばから約10年にわたって続いた就職氷河期で新卒採用が大幅に抑制されたことに始まります。正社員になれない若者は『自己責任』と片づけられ、社会に出るタイミングを逸して親に依存する『パラサイト・シングル』(1997年に登場した造語)になりました。世間から排除されたまま20年あまりが経った今、彼らが『大人のひきこもり』として社会問題になったのです」